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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの


夏休みが明け、新学期の始まり。

学校は騒がしさを取り戻し、皆が日常に戻ってきた。

教室に入ると、こんがり焼けた摩耶があたしを見つけると抱き着いてきた。

「楓~あたし、彼氏できたぁ!」

「良かったじゃん!」

「うん!もう、本当に幸せ!」

長続きしない摩耶の彼氏。

今度はうまくいくといいな。

そんな幸せオーラ全快の摩耶にあたしも、小声で耳打ちした。

「あたし、達巳と付き合った」


摩耶はあたしを引き剥がし、驚いた顔であたしを見つめる。

「…マジ?」

「うん」

摩耶はすごく浮かない顔をしていて、あたしは不思議に思っていた。

祝福してくれない親友に、どうしたの?と尋ねる。

「達巳君の事で、ちょっと話があるから、後で屋上いこ?」

そう言われて、あたしはそれ以上何も聞かず頷いた。

それから、チャイムがなって席に着く。

達巳は前の方の席で、あたしは達巳の背中を見つめる。

あれから、母親とはうまくやっているのだろうか。

夏休み、一度だけ会った達巳のお母さん。

達巳を捨てた人。

あたしは、あの人が嫌いだった。





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