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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

「達巳…」
「もし、俺が道を踏み外したらその時は…俺の事忘れて?」
「嫌や!忘れん!達巳が道を踏み外す前にあたしが止めるから」
だから、そんな悲しい顔をしないで……。
どうして、あたしを頼ってくれないの?
何もしてあげられないかもしれないけど、ずっと傍にいるから。
忘れて、なんて簡単に言わないでよ。
もう、達巳はあたしの一部なんだから。
達巳が居なければ、あたしはきっと前を向いて歩けない。
それくらい、達巳の存在は大きい。
「ありがとう、楓。楓がおるから、俺は生きていられるんよ」
「あたしだって、そうやよ!いつも、達巳に守られてばっかり。あたしにも達巳を守らせてよ…大切な人なんやから」
不意に抱き締められ、少し踵が浮く。
あたしもそっと、達巳の背中に腕を回した。
神様、あたしに彼を守らせて?
強さを、力を下さい。
この先、どんなことがあってもあたしは達巳を守る。
だから、あたしから達巳を奪わないで…
お願いします……

