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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

◇
九月、あたしたちの学校は来月迎える文化祭に向けて準備をする。
下の学年が居ないあたしたちにとっては、お客さんの居る文化祭は実質今年がラストだ。
外部参加が禁止な上、来年は三年になり進路のことで忙しくなる為、今年の内から先生に来年は文化祭は無いと告げられていたから、今年に懸ける思いは去年とは比べられないほど熱いものだった。
文化祭実行委員会を中心に、今年の文化祭タイトルが発表された。
「ラストチルドレン」
この高校の最後の在学生であり、ここを卒業後就職する者がほとんどな為、子供で居られる最後の文化祭ということらしい。
社会に出れば、成人していなくても一人の大人として扱われ、歯車として社会に嵌め込まれる。
その前の思い出作りに、この文化祭は必要なのだ。
「何かミスチルみたいやね!」
「てことは、俺たちはラスチル?」
「ダサッ!でもいいな!」
皆が思い思いに感じることがあって、ラストチルドレンというタイトルは結構気に入っていた。
「じゃあ、次に我がクラスの出し物なんだけど~」
委員長が仕切り、出し物の案を皆に聞いている。
去年は一年生と言うこともあり、射的やお化け屋敷など遊びが中心の出し物だった。
今年は三年生がお客さんとしての参加だから、あたしたち二年生は飲食ブースを受け持つ。

