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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

「何かいい案ありますか?」
その声に、メイド喫茶だったりたこ焼き屋などが挙げられていく。
「達巳は何がいい?」
自由に座ることを許された座席で、あたしと達巳は隣同士で小さく耳打ちする。
「何でもいいや。簡単なやつ」
「ヤル気ないなぁ~」
「店の方はな。俺は楓と文化祭見て回りたいから、そっちの方が楽しみやな」
然り気無く言われて、ドキッとした。
今、言わなくてもいいじゃん…。
こんな風に簡単に達巳に心を奪われる。
達巳と過ごす最後の文化祭。
あたしだって、達巳と回るの楽しみだよ?。そう言ってやれば達巳は赤く顔を染めた。
「周りに聞こえちゃうやろ!」
お互い、小声で話すからそれが何だか面白くて笑いを堪える。
「じゃあ我がクラスの出し物は――――」
達巳と話していて、聞こえなかった。
何?と思って黒板を見れば、デカデカと男装&女装カフェと書かれていた。
「男子は、女装で接客。女子は男装で呼び込み。時間で交代制にします。全員参加、裏方無し。衣装は演劇部から借りられるか交渉します」
「「マジで?」」
あたしと達巳は綺麗にハモってしまった。
「達巳…女装似合いそう…」
「楓こそ、キツそうな顔が男装向きだろ」
プッと笑う。
面白くなりそう―――。

