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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

「あー…マジ疲れたぁ」
「お疲れ様っ。ほらコーヒー」
「サンキュー」
文化祭の準備は放課後毎日続いて、それと平行して達巳は特別授業もあったせいか、怒濤の日々を過ごしていた。
「本当にあれ着るんか…俺は」
衣装が決まった直後、達巳を呼んで着替えさせていた女子たち。
達巳の固まる顔が今でも忘れられない。
「似合ってたよ?すっごく」
「はぁ~あのフリフリドレスがか?」
「ムカつくくらいね?フフッ」
コーヒーを飲みながら屋上から見えるグラウンドを覗き込む。
「運動部も大変だね~テント張り」
「それだけが救いやわ。店の準備だけで済んだし」
「いよいよ、明後日やんね。文化祭」
あたしたちの最後の文化祭。
楽しいものになるといいな。
「食券たくさん買ったから。うまいもん食いまくろうな」
「うんっ!楽しみやね」
「女装してる時は、楓あんまり見んといてや」
「何で?」
「俺、めっちゃオネェ口調で接客することになったから」
「うわっ、楽しみ~」
「だから、見んなって!」
一度、見たのだから別にいいじゃん。とか思ったけど必死に嫌がるから、渋々了解した。
「あたしも、見ないでよ~」
「何で?俺、まだ楓の男装見てないし」
「あまりにも男前で、達巳がヒクと思うから」
「なんじゃそりゃ」

