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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの


お昼のチャイムが鳴り、前半は無事に終了を迎えた。

達巳とあたしは、着替えを済ませてから文化祭を回ろうと事前に決めていたから、使わない教室に向かって歩き出す。

着なれないスーツのせいで、ひどく肩が凝った。

3年の先輩や同学年の女子が廊下に集まった時は混乱したが、何とか全員を店に誘導し、売り上げは好調。

後半も何とかなるだろうと、会計の男子が自信満々に答えていた。

「それじゃあ、あたし行くね?」

「はいはい、どうぞごゆっくり~」

一緒に着替えていた摩耶に声を掛け、教室を出る。

うん、やっぱり制服の方が落ち着く。

達巳が待ち合わせは玄関前と言っていたから、玄関に向かって歩き出す。

廊下は文化祭を楽しむ人達でごった返していた。

何とか玄関に辿り着いた時、人だかりが見えて何となくそこに達巳が居る気がした。

達巳は、三年生の間でも人気者でさっきの女装で更に火がついた生徒も居るだろう。

あの中に入るのは、難しいだろう。

少し離れて、様子を見ようとした時---。

「楓!」

達巳の声がした。

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