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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

1階にある遊戯スペースにあたしたちは到着した。
達巳は射的がしたいようで、一目散にその教室へと向かう。
そこそこ、人気のようで列が並ぶのが見えた。
一番後ろに立ち、順番を待つ間。
やはりと言うか、達巳は物凄く目立っていた。
ただでさえ、このルックスで学年問わず人気者なのに、スーツというオプション付きで周りはざわついている。
「やっばい!カッコイイ~」
「隣の女って彼女?」
「あ、今目があったぁ~」
いたるところから聞こえる声に、あたしは面倒くさいと呟いた。
しかし、当の本人である達巳は気にしていない。
目線は先に射的をしている男子に釘付けだ。
「早く俺の番来ないかな~!楓、景品どれ狙う?」
Γあたしは、やらないから達巳が欲しいもの狙いなよ」
Γえ~じゃあ楓が欲しいもの狙うから決めてや!」
そう言われたものの、何でもいいなんてこのキラキラ輝く目で聞かれては言えやしない。
並べられた景品をザッと見渡して、あたしは指を差した。
Γあの、ネックレスかな」
一番、使えそうなアクセサリーをあたしは選ぶ。
他の物はぬいぐるみだったり、何故かこけしだったりでいらないから。
Γよっしゃ!わかった!絶対とる!!」
達巳の大きな声に、また周りがざわついていた。

