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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

いよいよ、達巳の番が回ってきた。
銃にコルクを詰めて、狙いを定める達巳はスーツのせいでスナイパーのような出で立ちだ。
箱に入ったシルバーのネックレス。中身が見えるように透明のフィルムが貼られ、縦に置かれている。
あれを倒すのなんて無理だろう。
そう思いつつ、隣で様子を見る。
達巳の真剣な横顔と交互に見ていると、ついに銃の引き金を引いたのかパンっと音がした。
景品に向かって一直線にコルクが飛び出す。
箱の右上を掠めて、コルクは床にポトリと落ちた。
Γあぁ!惜しい!もう一回!」
達巳が叫ぶが、店員役の生徒は一人一回だと断る。
Γもう一度並んで下さい。他の方も待ってるから」
そう言われて、達巳は後ろを振り返る。
女子二人組が並んでいて、達巳と目が合うとビクッと肩を震わせた。
Γもう一回してもいいかな?」
そう達巳が言えば、女の子たちはどうぞ!と達巳に順番を譲った。
Γ良いみたいだから、もう一回だけ!ね?」
Γしょうがないですね、一回だけですよ?」
店員も渋々、コルクを渡す。
Γほんと、子供みたい」
そう言ってやれば、うるせぇと口を尖らす達巳。

