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第4章 4.帰ってきた義姉
『これからはまた私が作るよ。
 稲本君が色々健ちゃんと語らったってきいたけど』
「語らったよ。でも、ちゃんとあいつは飲みつぶれずに、家に帰ってた。
健は、有香がいつでも帰ってこられるように、迎えられるように待ってるんだって。
時々、俺、未練がましいって愚痴ってないてたけどな。でもそれほど有香を愛しているんだよ。
今度は絶対間違うんじゃねーぞ。俺も希望も、お前らがまた元に戻れてすげえ喜んでいるんだ。
今度は一緒にいろいろなことしなよ。それだけでも絆は強くなれる。料理だって家事だって色々さぁ」
『そうするよ。今まで以上に。
本当に迷惑かけてごめんなさい。希望ちゃんにも謝らなきゃ』
「俺たちは、ただ見守ってただけだからさあ、本当、お前、健を大事にしてやれって。
あんないい男どこ探してもいねーよ。俺が保証する。
いい男過ぎて有香も疲れたのかもしれねーけど、俺は健と一緒にいたほうが、絶対学べること多いって思ってる。
あいつはそういう男だ。きっと成長できるよ。幸せになれるって。っていうか有香が幸せにするくらいの気持ちでいてやってくれよ。時々あまえさせてやったりさあ。
健のやつ、有香だから心から甘えられるんだってのろけてやがったし。
みんな、強そうで弱いんだ」
『私も弱い』
「俺も弱い。希望も弱い。だからみんな一緒にいるんだ。希望だってしっかりやってても、寂しくて涙が出たりする。
 俺だって誰かに嫉妬する。だから希望の手をしっかり掴まえたいって思っている」
『健ちゃんの手を握って、眠る安心感はやっぱ半端なかったよ。あったかい気持ちで眠れた』
「そうだろ。あいつのいびきがちょっとうるさくても、あいつの手から出るパワーは半端ねえんだよ、有香にとって。
俺も希望のちょっと悪い寝相に困ることもあるけど、手ぇつないだり、ぎゅうって胸に抱かれるとすげえ安心する。
うわべの安心なんかじゃねえ、色々乗り越えて堪えてきた上で放っている安心感を覚えるよ」
『私もそういう女になりたいな。健ちゃんが抱きしめたときに、安心できるような』
「もうなってるって。健は照れくさくて言えねえだけさ。だから有香がたくさん健を抱きしめてやってほしい。
元々健がメディアに出るようになったのも、有香があくせくつらい思いして仕事しなくても食べさせられる稼ぎがほしいからなんだぜ。
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