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馬鹿と天才と紙一重
第4章 馬鹿は気づく





「寝込みは襲うなよ」

「んっ」

私からキスしようとしたのに、修哉が起き上がってそのままチュッと唇をあわせた。

「ちょっと…!ご飯できたよ?」

慌てて離れた私と、くあっと欠伸をする修哉。

無防備な姿は…私以外の人も知ってるのかな?

不意に胸のあたりがモヤモヤしてきた。

「藍も食べてくの?」

ファンクラブに襲われかけたって聞いたことある…。つまり私の他にも女の子がここに来た事だって…

「どうしたんだよ突然」

そのまま顎を掴まれてキスされた。

「しゅ、やっ…」

慌てて胸を叩いて離れるように仕向けたのに、何を勘違いしたのか私の腰を抱いて膝の上に乗せ、後頭部を押さえつけて、ディープキスをしてきた。

空気を含んだ水音が響くなかで、修哉から与えられるキスにどんな気持ちがあるのか、私の心が揺らぐ。

離れた唇から垂れた糸を舐めとって、そのまま抱きしめられた。

「修哉、何人女の子抱いた?」

「なんで?……藍?何かあったのかよ?」

質問を質問で返されると少し困る、返事に困ってたらフッと修哉が笑っていた。

「藍、俺ってかっこいい?飾りたいとか思う?

…………ファンクラブって意味わかんねぇ」

肩口に頭を乗せて消えるような細い声で呟いている。

「放課後さ、新入生に握手して欲しいって言われて握手したら3年生の先輩がヒステリックっていうか、1年生に怒鳴っててさ1年生は泣いちゃうしで…

俺、どうすればいいかわかんなくて」

ため息をついた修哉。…大変だったんだ。

それなのに私は自分のことばっか………

ぽんぽんと背中を撫でて、大丈夫だよって耳元で囁いたらしがみつくようにさらに強く抱きしめられた。


修哉…私のこと好き?


………今は聞かないでおくね。

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