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馬鹿と天才と紙一重
第1章 馬鹿からの脱出



連れて来られたのは生徒会室。

「失礼します」

「しっ、失礼します」

誰もいないのに丁寧に挨拶をして中に入った浪岡くんの後に続いて私も挨拶をして中に入る。

「鍵、かけておいて」

私の方を振り向かずにそう言いながら『副会長 浪岡』というプレートの置かれた席に座った。

「うん…」

カチャリと鍵をかけて私は浪岡くんの机の前に立った

すると、教室で見せたあの笑顔にどす黒いものを含めてさらに麗しく微笑んだ。

やばい…絶対怒ってる…

「相良さん?なんで僕が呼んだかわかるかな?」

「…たぶ、ん」

なによ、いつもは僕じゃなくて俺って言う癖に…

とか内心では強気でいるけど、本当は怖いし逃げたい。

大方副会長の権限を利用して私の担任より先に素点表を見たんだろう。

「僕はさ?前回の後期中間の時も言ったよね?生徒会はクラス順位は10位以内、学年順位は50位以内…だって」

生徒会の中で私は1番頭が悪い。

チクチクと私の心に突き刺さる棘のような浪岡くんの言葉。

「ご、めんさ…ぃ」

「クラス18位、学年63位って…

君はB組だろ?H組で63位は素晴らしいけどB組ならどうかしてるじゃないか」

入試の成績順に割り振られたこの学校のクラス編成、A〜Hまである。

でも、こんな偉そうな態度を取っていても浪岡くんは学年1位ではない。浪岡くんは4位だったはず…天才王子って呼ばれるくせに…

「2年生の10月、君はまた僕と一緒に生徒会にいるかな?」

クスリと口の端を持ち上げる嫌味な笑い方、ファンクラブの人から見たら悲鳴ものだろう。

「いるよ!私…生徒会続けたいもん…」

シュンと肩を落としながら小さな反抗を見せたら、背もたれに身体を預け、片手を私に差し出した。

「じゃあ僕が勉強を教えてあげる

その代わり、僕のそばから離れないこと

どう?君にとっては好条件じゃないか?」

な、なにが好条件なのか…な…

「でもっ、クラス違うし…そばにいるって?」

「くどいなぁ……

俺ら幼馴染だろ?昔みたいに藍の隣にいてやるよ」

唐突に素の浪岡くんが笑った。

「ほら、藍?俺の手を掴め、交渉成立だろ?」


私はその手を無意識に握ってしまった。


「俺の藍、馬鹿な藍」


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