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馬鹿と天才と紙一重
第1章 馬鹿からの脱出

「俺、ずっと相良が好きなのに……あの天才と付き合ってるとはな」
下を向いて表情を隠す江尾くんがなんだか危ない、だけど知力もなければ体力もない私は立ち上がる力すら残っていない。
「天才と穴兄弟っていうのは癪だけど…まあいいか」
っ!???!!?
どうしよう、なんか脱ぎ始めた…誰か呼ばなきゃ…
「誰かっっ…むぐ!?」
解いたネクタイを猿轡代わりにされ声を封じられた。
「んむーー!!むーーー!!」
どうしよう怖い、私のネクタイも解いて頭上で両手首を縛った、そのままワイシャツのボタンを外されてキャミソールが露わになった。
「白のキャミソール…意外と胸はあるんだ」
ぐにっと強く掴まれて痛みに顔を歪めた、だけどお構いなしに形を変える私の胸を弄ぶ江尾くん。
「柔らかい…………気持ちいい相良?」
下着の上から胸の突起を見つけだし親指と人差し指で摘ままれあまりの痛さに涙が溢れた。
そもそも江尾くんは私が処女じゃないと思っているようだ。
「んんんーー!!んむううう!」
イヤイヤと首を振って抵抗すれば涙が頬や耳に流れてくる。
助けて、気持ち悪い、太ももを這いまわる手も、直接胸を触る手も。
誰か、誰か助けて、
修哉っ…!
「刑法177条、暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は強姦罪として3年以上の懲役…ってこと知ってた?
まあ君は未成年だからお金で解決できるよね
だけど、された側は?藍の心は傷を負う」
来てくれた…修哉…
自分のジャケットを私にかけて口元を結んだネクタイを解いてくれた。
「修哉っしゅ、や…っふ、っく…ひっ」
「えーと、江尾くんだよね?
悪いけどさ、藍は僕が心も体も愛してるから君の出番はないよ?」
常に笑顔の修哉、だからこそ絶対零度の冷たい視線に江尾くんは肌蹴ているのも気にせず固まってしまった。
そして
「藍に近づいたら、その顔も何もかも潰してあげる」
特上の笑顔を見せた。
「さあ藍、行こうか」
彼はこの笑顔から生涯逃げることは出来ないんじゃないかな、と修哉の背中の上でぼんやり私は考えていた。

