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馬鹿と天才と紙一重
第1章 馬鹿からの脱出

予想はしてたけど、生徒会室に着いた。
「あれー?天才王子とランランじゃん?1時限目はじまってるよぉ?」
『書記 陶』とプレートの置かれた席に座っている中学生、もしくは小学生でも通用しそうなほど童顔の陶 清華(すえ きよか)先輩だった。
「清華先輩こそ、何やってるんですか?」
清華先輩は結んだポニーテールの毛先を指でクルクル遊びながら何かを書いているようだ。
「んーとねぇ今回1年生学年首席の男の子がうちの血縁者らしいから家系図書いてるのぉ」
そういえば今回の首席は伊月さんじゃないんだよね。
「獅童のことか」
それまで1度も口を開いてなかった修哉がそう言った。
そうそう、獅童くんだ!
「天才王子のクラスでしょお?話したことある?」
「まあ、何度か。今日の朝は彼の周りが盛り上がっていましたよ。
それより、藍と話したいので陶先輩…退室して欲しいのですが…」
「はいよぉ!じゃーねランラン」
扉がしまった瞬間、私は修哉に抱きしめられていた。
「修哉…?」
声をかけたら両手で頬を包まれて綺麗な顔が惜しみなく私の瞳に映る。
「藍が連れられたって斎藤さんがうちのクラスに来て、俺…」
「見つけてくれて、あ…ありがと」
恥ずかしくなって顔を背けたら包んでいた手が、先程修哉が結んでくれたネクタイをまた解いて、そのままジャケットベストブラウスとボタンを全て外して行った。
「こわい?」
無意識に目を閉じて小刻みに震える私を、昨日の放課後のようにまた膝の上に乗せて、頭を撫でてくれた。
「へーき、修哉ならこわくないよ」
にこりと笑って修哉を見つめたらキャミソールの中、下着のホックを外した。
締め付けを失った胸とこの急展開に紅潮した全身は、この先に起こることを期待してしまう。
「しゅ…や…」
背中から横腹へ周り上へと上がっていく手にドクン、ドクン、と心臓が鳴り響く。

