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愛無き、故に恋
第3章 花桃
門の前のモニタホンから名前を告げて門の中に入る。

四季折々の花が植えられた庭を突っ切る。

エントランスでカードを提示して桃姫を指名した。

「差し入れですか?」

桃姫の好きなケーキショップの箱を見て黒服が言った。

「ええ、姫には頑張って貰わないと」

「では、何か使われますか?玩具、新しいのが入っていますが」

面白い。

「新しいやつとは?」

差し出されたのは、バイブレーターと媚薬ローション。

外服、内服両方可。

躊躇無く受け取りエレベーターに乗った。

彼女の部屋のドアを勢いよく開く。

「来てくれたんですね、会いたかった、、、」

鉢植えが四隅に飾られた1LDKを模した部屋の中央のテーブルから桃姫が駆け寄った。

「はい、お土産」

ケーキボックスを見てさらに表情を変える。

「一緒に食べれますね!2つづつ?」

「好きなやつ、選んで」

「あ、コーヒーと紅茶とハーブティー、どれがいいですか?」

いいな、飲ませるか。

「んじゃ、俺はコーヒー。桃姫のやつにこれ、入れてみ?コラーゲンだって」

「わかりました、入れてみます」

疑うことを知らないから、媚薬を盛られていることに気づかない。
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