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初花
第4章 猫柳
病も 癒え、湯を使うと言うが

素肌を晒し 桜色に染まってゆく龍と、共に在れば
私は 欲を兆す





己の役割を果たすべく
唇や 身体を開こうとする姿を予見し

抱きたく無い訳ではないが
今宵は 待ちたく、独り酒を酌んでいると


つと隣に座った 龍から
花油の甘い香りが漂った






微かに潤む眦にも誘われ
抱き寄せて 唇を合わせれば

その琥珀の瞳は、月のない闇空ではなく
私を 静かに仰ぎ見ていた










その瞳が忘れられず、未だ眠れずに居たが

不意の物音が気になり
それに応える気配も無い為、自ら寝所を出た






、、太刀だけは 携えていたが、何事も無い様子

ただ 強風に飛ばされて来たものが
戸に当たったのだろう






夜具に戻ると 龍が起き上がった

「如何した」

「気がついたら、ひとりでした」

近づくわたしに ちいさな声で言うと
そっと 袖を掴んでいる。



心細かったのだろうか。。







「表を 確かめて来ただけだ
何事も無い」


宥めるように告げた私に



「ひとりでは、寒いのです」…と呟く








隣に寝そべり、綿ではなく
水鳥の羽をつかった渡来物のあたたかな夜具を

姫椿の花が咲く襦袢を着た彼に
ふわりとかけなおしてやれば

見守るうちに、まもなく
またゆっくりと眠りに落ちてゆく




その寝顔を凝視めつつ、胸の奥で
其方にも 私を慕う想いが有るのかと問うが
言葉には出来ない。



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