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呪いのしるしを、君の体に。
第8章 8
このまま、昨日の続きをしよう。
意地悪にそう呟かれると
昨晩の痴態が鮮明に思い出されて
ことりはあっという間に茹で蛸のように赤くなる。
「ちょ、先生やだ、やめ…!」
「ダメダメ。
君の体を開発しなくっちゃ」
「やだってば!」
「あんまり暴れると、手錠で繋ぐよ?」
『ーーー手錠?』
逆に混乱することりに満足したのか
高槻は彼女を解放した。
そして、クローゼットを開けると、そこから革でできた手錠を取り出してことりに見せる。
それは、まるでSMに使われる道具のようだった。
「え、何これ…」
「SMで使う手錠だよ?
僕はリアリティを追求するからね、作品のためにちょっと取り寄せてみたよ」
「先生、次の作品って…」
若い女性と、そしてとある衝動が抑えられない男性と書いてあったのを思い出す。
「まさか、その衝動って…」
「うん。女性を支配したいっていう欲求。
そして、その若い女の子は、支配されたいんだ」
ことりはぽかんと口を開けた。
わけがわからずに、「はい、持ってみて」と言われた手錠を
受け取ってまじまじみてしまうほどに訳がわかっていなかった。
「ちょっと整理しますが、そのモデルに私を起用ですか?」
「そうだよ
「私、支配されたくなんかないんですけど…」
「まあ、それはおいおいね」
「はあ…。
ですが、先生、男の人って、支配したら、それこそ挿入とかしたくなるんじゃ…?」
高槻はそれに真面目な顔で頷いた。
「え、じゃああの契約の挿入なしって、かなり際どくないですか!?」
「そうなんだよ…僕も男だからね。
だけど、そうすれば、支配したい欲を押さえつけている男の気持ちも分かるはずなんだ。
それとね、大事なことなんだけど…」
高槻はそう言いかけて、続きは食後に話すねと
そう言って契約の話は終わってしまった。