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呪いのしるしを、君の体に。
第8章 8
そして、夜。
バカラ代のお仕置きとして
食事に付き合うことになったのだが、
ことりは今日はお酒を飲むことはしなかった。
高槻は相変わらず高級ワインを飲んでいて
ことりに飲んでみるか勧めたのだが、ことりは頑なに断った。
高槻は深追いはせず、ご機嫌に食事をしていた。
食べ終わって一息つき、2人でテレビの前のソファへと腰掛ける。
目の前には、先日買ったバウムクーヘンが置かれていて
ことりは早く食べたい気持ちを押さえつけるのに必死だった。
正直、高槻の大事な話よりも
目の前のバウムクーヘンの方が大事だった。
「それではことり君。
食べながらでいいから、ビデオを一緒に観よう」
「分かりました。
早く食べたいので早くしてください」
「つれないなぁ。じゃあ、再生するから、どうぞ」
高槻が再生ボタンを押して
部屋を間接照明だけにした。
素晴らしく上品で、こんなところに住めるなんてすごいなと思いつつ
目の前のバウムクーヘンに想いを馳せていると
テレビから女性の声が聞こえてきた。
それも、イヤラシイ声が。
「は?」
ことりは食べようとしていたバウムクーヘンを食べる事ができず
テレビを見て我が目を疑った。
「え?」
そこには、大事な部分を画面いっぱいに映し出されながら
男性器を抜き差しされる女性がいた。
見てしまってから、あまりの恥ずかしさに慌ててバウムクーヘンへと視線を戻す。
しかし、とても食べられた雰囲気ではなかった。
女性の喘ぐ声と、卑猥な音が連呼する。
そのうちに男性が女性に乗りかかり
卑猥な言葉で攻め立てた。
「先生…あの…見たかったのって、これですか?」
「うん、そうだよ。
あれ、バウムクーヘン食べないの?」
見れば、高槻はなんともない顔で
バウムクーヘンを口いっぱいに頬張ってことりを不思議そうな目で見ていた。
『いや、食べにくいでしょ!』
ことりが困ってしまうと
高槻が「食べないなら僕がもらおうか?」と
フォークを差し出してくる。
ことりは慌ててお皿を自分の方へ寄せると、口に含んだ。
そのあまりの美味しさに感動するのと
テレビの中の女性も作ったような声で喘ぎ喜ぶのが重なった。