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呪いのしるしを、君の体に。
第8章 8
「美味しい?
その割りには、冴えない顔してるけど…」
「いや、あのですね、言わせてもらいますけど!」
そのことりを遮るように
女性の声がさらに激しさを増す。
高槻を見つめながら、ことりは顔が真っ赤になった。
「食べちゃうよ?」
「ダメです!」
ことりはさらに一口含んだ。
テレビを消してしまおうかとリモコンを探すが
高槻の方に置いてあって取れない。
観念して、バウムクーヘンに集中することに決めた。
気まずいまま、食べ終わる頃になると、
テレビの女性もフィニッシュを迎えたのか
激しく喘ぎまくって、静かになった。
ちらりと高槻を見ると
なんともなさそうな顔をして見ていた。
「そんな顔するなら、見なきゃいいのに…」
思わず呟くと、高槻がにっこりと笑った。
そして、ことりに向き合う。
「ことり君、君にとって、このAVは恥ずかしい?」
「はい?」
「答えて。早く」
「え、あ、まあ、恥ずかしすぎて見れませんけど…」
「うんうん。じゃあ、男性にとったらこれはどう見えるうかな?」
「それは…その…想像ですけど、相当興奮するんじゃないですか?」
女優さんはうっとりするくらい美しい。
それに、あんな風に淫らにされたら、
男性の欲望は上り詰めるはずだとことりは素直にそう思った。
「だよね。だけど、見てことり君」
言われて高槻の顔を見ると、違うよと股間を指さされた。
「え!? そこを見るんですか!?」
「そう。よく見て」
顔を背けようとしたが、むにゅっとつままれた。
「見ないなら触らせるよ?」
「見ます、見ますから!」
そう言って恐る恐る高槻の股間を見ると
何にも変化がないように見えた。
「え…先生、興奮しないんですか?」
女性でもうっとりするような女優さんの裸を見て。
興奮していないどころか、高槻はなんともない顔をしていた。
そうこうしているうちに、テレビの場面も変わり、また先ほどの女優さんが
いやらしい姿で男性を挑発するような仕草をしていた。