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第4章 4

マリンボーダーのワンピースは腰元の赤いベルトがアクセントになっていた。
胸元は彼女の豊かな膨らみでボーダーが歪んでおり、その生地の柔らかさを触れずとも感じさせた。

「ちょっと若すぎないですか？」

やや短い丈を気にしつつ、頬を染めて彼に否定されることを望んだ意見を求める。

「そんなことないよ」彼は目を細めて笑った。「よく似合ってる」

そんな目で見詰められると、このワンピースが相当上等なものにまで思えてしまう。
ましてやアパレル関係の海藤の言葉だと余計に舞い上がってしまった。

どうしてもプレゼントさせて欲しいという彼の言葉に押し切られ、レジで支払いを済ませてからあやみは何度も礼を重ねた。
気持ちが華やぐと見慣れたはずの街の風景もどこか気恥ずかしくなるほど輝いて見えてしまう。