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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第5章 5
海藤と順調に交際が始まったが、その報告を貝塚にするほど彼女も義理堅くはない。
『この間の彼とはどうなった?』というメールが一度貝塚から来たが、もちろん無視した。
流されやすいあやみだが、意外とこういうところはシビアである。
ようやく未来が見えてきたあやみは会社でも自然と明るく振る舞えた。
「最近あやみちゃん、なんか変わったね?」
給湯室で声をかけてきたのは佳世だった。
薬指には婚約指輪が輝いている。
「え、いや……そうですか?」
明確な否定をせず疑問系で返す言い方は『もっと訊いて!!』と訴えているのが丸分かりだった。
「なんか生き生きしてるっていうか……彼氏、出来た?」
佳世は期待通りに訊ねてやる。
なんの躊躇いもなく訊けるのは、彼女自身も幸せに包まれているからだ。
互いに彼氏なしの状況ならば腹の探りあいみたいな心理戦を繰り広げるところだった。
思えばこの先輩が結婚をすることにならなければ、自分も海藤と出逢うことはなかった。
そう思うとあやみは感謝せずにはいられなかった。
『この間の彼とはどうなった?』というメールが一度貝塚から来たが、もちろん無視した。
流されやすいあやみだが、意外とこういうところはシビアである。
ようやく未来が見えてきたあやみは会社でも自然と明るく振る舞えた。
「最近あやみちゃん、なんか変わったね?」
給湯室で声をかけてきたのは佳世だった。
薬指には婚約指輪が輝いている。
「え、いや……そうですか?」
明確な否定をせず疑問系で返す言い方は『もっと訊いて!!』と訴えているのが丸分かりだった。
「なんか生き生きしてるっていうか……彼氏、出来た?」
佳世は期待通りに訊ねてやる。
なんの躊躇いもなく訊けるのは、彼女自身も幸せに包まれているからだ。
互いに彼氏なしの状況ならば腹の探りあいみたいな心理戦を繰り広げるところだった。
思えばこの先輩が結婚をすることにならなければ、自分も海藤と出逢うことはなかった。
そう思うとあやみは感謝せずにはいられなかった。