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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第5章 5
フォローとしてもっとも捻りのない、彼自身も聞き飽きた言葉はなんの慰めにもならなかった。

「インパクトだけあってもなぁ……」

「私は嫌いじゃないですよ……その名前」

マイスイートスイートホームという節を聴きながら、あやみは彼の手の上に自らの手を重ねる。

「海藤さんは私の心も暖め直してくれましたから……」

「……そうか」

「名前負けしてません」

「名前負けね……」海藤は思わず吹き出す。「今までの人生で俺が名前負けしてるとか勝ってるとか考えたこともなかったよ……」

海藤は笑いながら彼女の手を握った。

「ありがとう……」

手を軽く引っ張り、唇をソッと重ねる。

あやみの心はそれでまた、少し暖かくなった。

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