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第5章 5

勤めていた会社の創業記念日、休日出勤の振り替え休日、あのパチンコ店の景品として商品を卸しに行っていた……

無理のある仮説まで立てたがどれも納得のいくものではなかった。

たとえ休日であったとしても内緒でギャンブルをしていたという事実は消えない。

『隠れて内緒でパチンコって……』と思い、頭を振る。
隠れてしているという言い方が適切とは言えないからだ。

確かにあやみは彼女ではあるが、海藤がそれを申告しなくてはいけない義理はない。

嫁面をしてはいけないというのは『いつかは結婚できると思い込んでいるあなたへ』にも書かれている注意事項だった。

モヤモヤしたが考えても分からないというのが彼女の出した答えだった。

直接聞こう。
聞いてみればなぁんだというような明確で呆気ない結果が待ってるものだ。
彼女は心を奮い立たせ、そう決意した。