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すくらんぶる
第1章 救いの手


首筋にあるのは、航太が無理やりにつけたキスマーク。

部長に見つかれば絶対にこれをネタにイヤミを言われると思っていた。

逆に言えば、航太は部長にイヤミを言わせるためにキスマークをつけたのかもしれない。

未羽を追い詰めるために。

そう思った。


無我夢中で仕事をこなし、気が付けば7時になっていた。

電車とバスを乗り継いで帰り、急いで支度をする。

バッグには財布とポーチと鏡、それから家の鍵と‥‥一応、防犯ブザー。

電車に飛び込んで、約束の9時に待ち合わせの場所に到着した。

未羽の家の近くで会わなかったのは、知り合いに見られたくなかったからだ。


写メで教えてもらったヨシの車は、待ち合わせ場所のコンビニにまだ停まっていなかった。

未羽はドキドキしながら携帯片手にヨシを待つ。


その時、携帯が鳴った。

メールかと思ったら、ヨシからの電話だった。

爆発しそうなドキドキの中、深呼吸をしてから電話に出る。


「もしもーし」

『あ‥‥ハイ!!』

「着いたよ。見える??店の横んとこ」

『え??横??』


店の横を見ると、ライトをチカチカと点滅させ合図する、白いワゴン車がいた。

写メで見た、ヨシの車だった。


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