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すくらんぶる
第1章 救いの手
 

電話を切り、未羽は小走りでヨシの車の助手席側に行く。

ドアを開けると、芳香剤の香りがふわっと広がった。


「乗って。遅くなって悪ぃね」

『い‥‥いえ。お邪魔します‥‥』


ヨシの車の中はいじられていて、ネオンがあったりサンバイザーにモニターがついていたり。

未羽はガチガチに緊張しながらシートベルトを締めた。

ヨシが片手でハンドルを回し、車をゆっくり発進させる。

遊ぶ約束をして会ったのはいいけど、行く場所なんかは決めてなかったな。

未羽はバッグを強く握った。


「ねぇ、顔よく見せて」

『え、い、嫌です』

「なんで!!写メ交換したんだし、いいじゃん」

『はっ恥ずかしいから嫌です』


未羽はわざと運転席と反対側を向いた。

ヨシはチラチラとわざとらしく未羽のほうを見ていて、信号で止まると身を乗り出して顔を見ようとした。


「あ、見てよコレ。この前UFOキャッチャーでとったんだ」

『あぁ!!かわいい!!これって‥‥!!』


ヨシは未羽にキーホルダーを見せ、自分のほうを向かせた。

優しい笑みを浮かべるヨシの視線に気付いた未羽は、逃げ場がなくなり、ヨシのおでこに自分のおでこを近付けた。

近すぎても見えないだろー!!という逆転の発想。


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