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すくらんぶる
第1章 救いの手
 


ヨシが取り出したのは、携帯。

でもよく見ると、その携帯はヨシのじゃない。


『‥‥航太の??』

「そ。んーで、これは何でしょう」


ヨシは航太の携帯を操作し、一枚の画像を映し出した。

理解するのに時間がかかったが、それは航太のパソコンだった。

バキバキに画面やキーボードが割られたパソコンの周りには、割れたCDや千枚通しが突き刺さったUSBがいくつもある。

画面の端っこにはマヨネーズの容器があることから、全てにかかっている白いものがマヨネーズだとわかった。


「お前の映像、パソコンの中だけじゃねぇと思ってさ。記録メディア全部壊したんだわ。あと残ってんのは、この携帯の中身だけ」

『でも、もしかしたら他の場所に隠してるかも‥‥』

「突然奇襲かけたから大丈夫だろ。あいつは襲われるのわかってて隠すようなタイプじゃねーべ」


弱みがなくなった‥‥。

未羽は今まで耐え続けてきたことが蘇り、涙がこみ上げる。

ふと、幸せだった頃の航太の笑顔が頭に浮かんだ。

しかしそれは、目の前のヨシの優しい笑顔にかき消される。


「よく頑張ったな」


こみ上げた涙がとめどなく溢れた。

頑張った‥‥自分しかわからない苦しみをわかってくれる人がいる。

そのことが嬉しくて、抱き寄せるヨシに体を預けた。

ヨシは未羽が落ち着くまで、ずっと頭を撫でてくれた。


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