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モテモテ男の裏の顔⁉︎
第29章 私が許さない‼︎
「ふざけんな‼︎
あんたが湊の何を知ってんの?
湊の何を見てきたの?
外見だけしか見ないあんたに、
湊の何が分かるっていうわけ?
湊の相手を想う優しい心も、守ってくれる優しい腕も、安心を与えてくれる温もりも、あんたは知らないんでしょ?
だからそんな事しか言えないんだよ‼︎
これ以上..
湊を罵るのは私が絶対に許さない‼︎」
私の言葉を聞いた彼女は、ワナワナと怒りで身体を震わせながら右手を振り上げた。
(殴ればいい‼︎‼︎)
私は彼女を睨みつけたまま、その場から動かなかった。
《パシッ‼︎》
私の頭上から伸びてきた手が、彼女の腕をガシッと掴んだ。
振り向くと、氷のように冷え切った目で彼女を見下ろす湊がいた。
湊は私の肩を抱き寄せると、低く野太い声で彼女に言い放つ。
『コイツに手ぇ上げてみろ。
この腕へし折ってやるから。』
湊の恫喝するような言葉に、彼女の体はガタガタと震えだしその場に座り込んでしまった。
『日和。帰るぞ?』
さっきまでの湊の声とは違い、いつもの優しい声で私にそう言うと、何事も無かったかのように私の肩を抱いたまま歩き出した。
私はちらっと後ろを覗き見たが、彼女は座り込んだまま泣き崩れていた。