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危険な相部屋
第3章 禁断症状


「奈緒って女だったら絶対モテたよな!」


奈緒に突然そう言ったのは、同じクラスの拓海(タクミ)だ。


「そんな事ないよ…全然モテた事ないし!」

「ぶっ!女だったらだよ!女からはモテないだろー!自分より彼氏の方が可愛いんじゃ癪だしな」


拓海がそう言うと、奈緒はまた俯いた。


「拓海、あんまり奈緒の事からかうなって!うちのおっさんにも言われてんだよ」

「理事長にも!?マジか!」


今までも散々言われてるだろうし、体も弱いらしいから男らしく体を鍛えたくても無理なんだろう。

そう考えると女っぽいとからかうのは可哀想な気がする。

俺が周りに言ってやらねぇとな。


夕飯の時間だけで奈緒はクラスメートとだいぶ仲良くなっていた。

うちのクラスは気さくな奴多いし、奈緒も最初は緊張してたみたいだけど緊張も解れて笑って話していた。


「龍牙、風呂の後部屋行っていい?奈緒のプチ歓迎会しよう!」

「俺アレ持ってくよ!」


アレとは酒の事だ。

夏休みだったし、家から持ってきたんだろう。

明日もまだ休みだし、ゴミはどうにかなりそうだ。


「あぁ、わかった」

「決まりな!奈緒、風呂行かね?」


!?


こいつ急に風呂に誘いやがった!?、

…って!奈緒は女じゃねぇから!別にいいんだよ!

そうだ…風呂に入って奈緒の男の部分を見ればこの気持ちも治りがつくはずだ。


「お風呂…えーっと…俺、アレルギーあってさ…人がたくさんいる大浴場入ると蕁麻疹出て大変な事になるから……部屋のシャワー使うよ」

「それ何のアレルギーなんだ?でも、蕁麻疹出るなら止めた方がいいかもな」


見れなかった…。


奈緒は部屋に戻って行って、俺たちは大浴場へと向かった。

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