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危険な相部屋
第3章 禁断症状
そして奈緒は一口それを飲む。
「……ブドウのジュース?結構美味しいね!」
奈緒はそう言ってもう一口飲んだ。
「ジュースじゃねぇからあんまり飲むなよ」
そう言って奈緒から奪い返した。
何かあったらと心配したが、何とも無さそうで安心する。
しかし…それから10分後の事。
話していると、隣りにいた奈緒は俺にもたれかかってきた。
「奈緒、なんだよ?」
「ん…zzz」
「寝てるじゃん!おい!主役!」
ポンポンと肩を叩かれるけど、奈緒は起きる気配がない。
「体も弱ければ酒も弱いのかよー」
「二口でこうなるとは…」
「今日来たばっかで疲れてんじゃね?」
すると、拓海のケータイが鳴り出した。
「もしもし?どうした?は!?マジで!?俺、寝てる事にしといて!」
拓海は慌てた様子で電話を切った。
「どうした?」
「抜き打ち点呼だよ!うちのクラスも始まってるって!」
完全に油断していた。
夏休みに家からこうして酒を持ち込む生徒が多いのは前からだったが、今回に限っては対策を練られていた。
拓海達は缶を全部袋に回収して部屋の窓から外に出た。
「奈緒が酔って寝てるってバレるなよ?」
「あぁ、そっちも戻る途中でバレるなよ」
「余裕っしょ!」
こんな事は俺たちにとっては日常茶飯事だ。
奈緒が寝てるのは都合が良かったかもしれない。