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危険な相部屋
第22章 プレイボーイ
「2名様逝きまーす!」
ほら、もう出だしからこんなテンションだし。
俺は係りの子に懐中電灯をもらって、中に入った。
中に入ると、中はヒンヤリしている。
…思っていたよりも雰囲気あるな。
俺は無意識に友ちゃんと繋いでる手に力が入っていた。
「…拓海君?怖い?懐中電灯持つの変わろうか?」
「こ、怖いわけねぇし!友ちゃんこそ怖かったら俺に抱き着いてもいいんだからな!?」
「うん?ありがとう」
俺は目の前にある前方を隠しているスズランテープを除かして前に進んだ。
懐中電灯を正面に照らすと、壁から無数の手が出ていた!?
「ウワアアあぁッ!?」
「拓海君!?どうしたの!?」
「手!手が!!手だけが!!なんか血が付いてるのとかあった!」
俺は情けなくも友ちゃんに抱き着いていた。
「手?全部マネキンの手だよ?ほら」
友ちゃんは俺が持っていた懐中電灯を手のある場所に照らした。
「見せんなあぁ!もういいから!先進むしかない!」
「先に行くほど脅かされると思うけど…」
「そうだけど!ああぁ!友ちゃん怖かったら俺に抱き着いてていいし!怖いよな?怖いっしょ?このまま進もう!」
一応怖い中にもまだカッコつけたい潜在意識があって、友ちゃんに抱き着いたまま意味のわからない支離滅裂な事を叫んでいた。