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知代の性活
第6章 九月 身も心も濡れた夜
 志穂さん…

 知代が呼ぶ間もなく、唇が重なった。
 甘い香りがする。

 香りだけではなく、絡み付いてくる舌までもが甘いような気がする。

 知代の頭を撫でるように、優しく抱えながら、志穂は何度も舌を絡め、うっとりと知代の舌が応じ始めると、強く吸った。

「ん…」

 重なった知代の口から息が漏れ、志穂の鼻息が知代の頬をくすぐる。

 するり、と浴衣の帯が解かれた。
 志穂の手が、知代の肌をまさぐる。

「や…志穂さん、恥ずかしい…」
「知代ちゃん…いっぱい気持ちよくしてあげる…」

 志穂の唇が、首筋に触れる。
 浴衣の前が開かれる。

 風呂上りで、部屋で女子二人だけ、ということもあり、ブラジャーは付けていなかった。
 飲み物を買いに行く時にはしっかり前を閉じて、少し恥ずかしい思いをしたが、部屋では志穂と二人、気楽に過ごせた。

 志穂の唇から舌がのぞき、舌先がくすぐるように首筋から鎖骨、唾液の跡を残して小さな膨らみへと進む。

 さらさらと、志穂の長い髪が知代の体にかかる。
 シルクのような毛先が触れる肌が、こそばゆい。

「あ…ん…や、だめ…んっ…」

 志穂の柔らかな両手が胸を包む。

 男にはない、志穂の肌の柔らかさと暖かさが、知代の神経をくすぐる。
 決しては激しい責めではない。緩慢とした、ゆったりとした責めだ。

 だからこそ、たくさんの慈しみが含まれているのかもしれない。

 知代は恥ずかしさを忘れた。

 乳首を転がされ、脇の下や脇腹を指先が掻いていく。

「あぅ…ん…ん…」

 知代から喘ぎが漏れる。責められて体が悦ぶ。
 強圧的に与えられている快感ではない。

 知代はその中に、しっとりと沈んでいく…
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