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知代の性活
第7章 十月 愛をもって脱がされる
「その…口でしてほしい、って言われて…」

 知代は顔を赤くして、もじもじと話す。
 志穂も真紀も、そんな知代を茶化すでもなく、真剣に、時に言葉を探しあぐねる知代を先回りして、言いにくそうなところをフォローする。

 性の経験が豊富な二人だからこそ出来る、知代への心遣いだった。

「でも、私…口でするのが、どうしても…」

 知代から義兄とのことをわずかながら聞いている志穂は、うん、と頷く。

「苦手なんだよね。義理のお兄さんに小さい頃に、口でさせられてたんだって」

 志穂が真紀に説明してくれる。
 真紀は細い目をさらに細め、労わるように知代を見る。

 その視線の優しさに、知代は救われたような気持ちになる。

 この二人と知り合えて、本当によかった。
 こんな話、他に出来る人いないし。

 体を重ねたことのある志穂に、思い切って相談を持ちかけてみた。

 どんなに仲のいい友人にも、きっとこんな相談は出来なかっただろう。
 体を重ねたから、その時に優しかったから、知代は志穂に話してみようと思った。

 それは正解だったようだが、真紀は、知代も驚くような話をした。
 温泉で、少しだけ志穂から話を聞いていたのだが、それでも知代は驚かざるをえないような話だった。
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