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知代の性活
第1章 四月 強引な人生初の絶頂
 昼が過ぎ午後になって、二日間のイベントも終わりが見えてきた。
 気の早いところではすでに撤去の段取りが組まれており、もう必要ないと思われる備品類は容赦なく片付けられていく。
 そんな様子を見ている知代に藤井が声をかけてきた。

「どうした?」
「あ、もう片付けはじめてるんだなって思って」

 ああ、と藤井は笑いながら

「本番が終わって客が帰って、いちばん疲れてる時間に片付けだから、けっこう大変なんだよ。
 だから、出来るところは早めにやっっておくと後々楽になるから」
「ああ…そうですね。納得です」
「もう少ししたらオレ達も粗品の数のチェックするから、その時は手伝ってもらうから」
「あ、はい。わかりました」

 そういうと藤井はベルトに釣ったトランシーバーで話しながら去っていった。

 今日、必要なこと以外での会話は極力避けてきた。
 そんな中で声をかけられていくぶん困惑したものの、藤井の様子はいたって普通。

 …やっぱり自分が考え過ぎているだけなんだろうか。

 藤井もアルバイトスタッフとはいえ、一チームを預かる以上、疲れているはずだ。
 仕事では、頼りになる存在なのは間違いない。
 現に今も、知代と話したかと思ったら、トランシーバーで何やら真剣な顔で話している。

 …もう少し、少しだけ信用してみてもいのかもしれない。

 男の人には、ムラムラしちゃって仕方がない日があるというし。
 かといって、されたことを許す気にはなれなかったが、仕事上ではそれは抜きにしてもいいかもしれない。

 そんなことを考えながら仕事をしていると、藤井に呼ばれた。
 先程話にあった、粗品の残りの数のチェックをするので手伝ってくれ、とのこと。

 持ち場を他のスタッフに任せ、パテーションで区切られたバックヤードのさらに隅に積み上げられた段ボール箱に向き合う。
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