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知代の性活
第14章 おまけ 性少女競艶
 そこは静かな、山間の温泉宿。
 知代達が暮らす都会とは違う。

 夜中聞こえる車の音も、遠くを走る救急車のサイレンも聞こえない。

 隣室で忍んで愛し合う二人のかすかな物音は、志穂達の耳に届いていた。

 愛を囁く声、体を求める言葉、喘ぎの吐息。

 経験豊富な三人にとって、それはとても青臭く、不器用に思えるような、そんな交わりの気配。

 事実、知代と和也はそれほどたくさんの回数、体を重ねたわけではない。
 知代が初めての相手だった和也は、まだまだ行為自体が手探りだ。

 隣の物音が消えるまで、志穂達三人は息を殺してじっとしていた。
 最近忙しそうな二人は、きっと合える時間も少ないだろう、という気遣いだった。

 恋人と会えば、いちゃいちゃしたいし、セックスだってしたいよね。

 英里はそう思って隣を見ると、志穂も黙って微笑みながら頷いた。
 その隣の布団の真紀も、同じような気持ちでいるのだろう。

 わずかに聞こえる知代の喘ぎ声を耳にしながら、三人は暗い部屋の中、目を閉じる。


 知代ちゃん、頑張ってね。ライブ絶対行くね。

 英里は、心の中で知代に語りかけながら眠りに落ちた。

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