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知代の性活
第2章 五月 徐々に感度を上げていく体
 知代は困惑しながらも、あの後の中山の苦労を聞いてしまっている分、強く言い出せなかった。
 言葉を捜していると、中山の手が胸に触れた。

「あっ…やめて」
「少しだけだから」

 そう言って中山は、下から持ち上げるように、微かな膨らみを揉み始めた。

「いや…こんなの…」
「何でもしてくれるんでしょ?」
「だけど…これは…んっ…」

 服の上から乳首を見つけ、そこを指で弾くと、知代の吐息が漏れる。
 中山の両手首の辺りを掴み、なんとか引き離そうとするも、鍛えられた中山の腕は太く、びくとも動かない。

 中山の息が荒くなる。先程までの優しそうな顔は消え、興奮に目をギラつかせている。

 ここで抵抗すれば、もしかしたら中山は本気で襲いかかってくるかもしれない。
 
 それはとても怖い。
 知代の脳裏には先日藤井から受けた陵辱の記憶が残っている。
 
 あんなに怖いことをされるのなら、胸だけで済むのなら大人しくしていたほうがいいのかもしれない。
 何より、藤井の責めによって正体をなくすまで乱れるほどに与えられた性の快感は、平時の知代にとって嫌悪の対象でしかない。

「本当に…胸だけで許してくれますか?」
「うん。胸だけでいいよ」
「…分かりました」
「いいんだね?」
「…はい」

 消え入りそうな声で、知代は頷く。
 顔を真っ赤にした知代は、それでも、胸をまさぐる中山の両手をしっかりと握っている。

 わずかに生まれた快感を、少しでも減らそうとするように。

 知代の許可を得て、中山はサマーセーターをたくし上げた。
 淡いピンクのブラジャーがあらわになる。
 セクシーさよりも可愛らしさが勝ったそのブラジャーは、知代にとてもよく似合っていた。

 ブラの上から乳首をさする。

「ん…ん…」

 知代の吐息がほんのわずか、甘くなる。
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