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知代の性活
第3章 六月 断れなくて、自慰
 男は気さくに声をかけてくる。

「そちらも延長ですか?」
「あ、はい。レポートがよく書けていたと言ってもらえて」
「そうですか」

 男はジャケットの内ポケットから名刺を取り出して、知代に手渡す。
 名刺には、会社名と「社長」の肩書きの後に長田、という名前が連なっていた。

「社長さんなんですか?」
「小さな会社ですけどね」

 男は照れくさそうに笑う。そんな態度に知代は好感を持った。
 社長さんが自分に何か用があるのだろうか、と知代が思っていると、長田は知代に仕事をお願いしたいと言った。

「実はうちで作った商品のモニターをお願いしたいんです。
 これからモニターをしてくれる人を探そうと思っていたんですが、年齢的にもちょうどですし、浅山さんのレポートが良かったということなので、ぜひうちのもお願い出来ないかと」

 
 数日後、知代の家に長田から荷物と手紙が送られてきた。
 手紙には、商品モニターをお願いします、全て使った頃に連絡します、と書いてあった。

 全て使った頃? コラーゲンドリンクのような消耗品ではないのかな?

 小さなダンボールの中には、さらに小分けに梱包された商品と思われるものがいくつか入っている。
 知代はその中のひとつを手にとって、そしてそのまま固まってしまった。

 …これって。

 性経験の少ない知代でも分かる。
 
 箱の中身。それはバイブだった。
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