この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
知代の性活
第5章 八月 初めて喉を通る感触
 知名度のない知代は、名前だけで人を呼ぶことは出来ない。
 美少女ではあるが、目を引くほどではないので、それでの集客も、それほど期待出来ない。
 だから歌で人を集めるしかない。知代は自分をそう評価していた。

 知代は懸命に歌い、何人かが足を止めてくれた。ライブ活動を始めたのと同時に作ったホームページのお知らせを貰ってくれた人もいる。

 白のノースリーブシャツに、淡い赤の膝まで丈のある、ふわりとしたマキシスカート。
 スカートはギターの色と合わせた。

 細い体の少女が、ギターで歌う姿は、通行人の注意を引き、足を止める人もいた。
 知代に興味を持ってくれた人もいて、大盛り上がりというほどではなかったが、いい感触を得て終えることが出来た。

 知代が満足して片付けをしていると、突如雲行きが怪しくなった。
 降るかな、と思った途端に大粒の雨に打たれた。

 夏特有のゲリラ豪雨。

 慌てて荷物を担ぎ、駅へと向かうも、急な雨のせいで改札前は混雑していた。
 そこに大荷物を持った自分が入ると迷惑かな、と知代は一瞬足を止める。

 でも、ギターを濡らしたくない。

 高架の線路下の改札に並んで、幾つかの店が並んでいる。飲食店が多いが、その半分ほどは高架の耐久工事のために閉店している。
 迷った挙句、知代は黄色と黒の工事用のフェンスの内側に入り込む。
 
 ここなら雨も当たらないし、人目も避けられる。

 実は、知代が改札前に行きにくかったのには、もうひとつ理由がある。

 白のノースリーブシャツが雨に濡れ、下着が透けて見えてしまっていた。
 水分を含み、ぴったりと肌に張り付くシャツに、オレンジ色のブラジャーがくっきりと浮かんでいる。

 いつもならなかなか付けることのない、明るい色の少し派手な下着は、ライブを頑張ろう、という知代の心意気の表れだった。

 いつもと違う自分になって歌う。

 明るい色はテンションを上げてくれるような気がして、人前に出る時には意識して身に付けるようになっていた。
/293ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ