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第5章 八月　初めて喉を通る感触

　新堂は、ニコニコした顔崩さないように心がけながら、知代の体をそっと見ていた。
　可愛い子が歌っているのを見て、近付いてみた。
　ライブにも、若い歌手にも興味はない。

　新堂は、埼玉の奥でキャンプ場を経営している、離婚経験のある男。
　離婚の理由は新堂の浮気。

　妻が家を出て以降、キャンプ場に訪れる女性客を、体と引き換えに、安く利用させたりしている。

　そして新堂はロリコンだった。
　親戚の高校生の女の子を泊まりに来させて、犯したこともある。

　その親戚も大学生になり、日増しに大人っぽく綺麗になっていくが、幼い子が好きな新堂としては、それを複雑な思いで見ていた。

　そんな中、知代が歌っているのを見た。
　用事があって訪れた先で、自分の好みの女を見つけた。

　十八歳で高校を卒業したばかりだという。
　細い体と幼さの残る顔立ち、そして小さな胸。
　実際の年齢よりも、ずっと幼く見える知代の体を、どうにか味わってみたい、と思った。

　はじめは上手く仲良くなって、経営するキャンプ場に来させるつもりだった。

　突然の雨、人目の付かないところに駆け込む知代。

　チャンスだ、と新堂は思った。