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知代の性活
第5章 八月 初めて喉を通る感触
 新堂は自分の思いにふけっている間に、知代の体を凝視していた。
 ぴったりと張り付いたシャツ。腰は抱けば折れてしまいそうなほどに細い。
 胸元を隠すタオルを握る手も細く、若く健康な肌は水を弾いている。

「あ、あの…?」

 見られていることに居心地の悪さを感じ、知代は思わず声をかけた。

「ああ、ごめんごめん。ついね」
「つい…?」
「下着が透けてるからさ」
「え?」
「こんなに人目につかないところに来ちゃだめだよ」

 笑顔でさらり、と言われ、知代は理解が出来なかった。

 その隙を逃さず、新堂は知代に襲い掛かった。
 口に手のひらを当てられ、腰を抱き寄せられる。

 悲鳴を上げる暇もなかった。

 ごつん、と後頭部がコンクリート剥き出しの壁に当たる。

 頭上の線路を走る電車の音。
 激しく地面を叩く雨の音。

 知代が声を出しても外まで聞こえないと思ったか、新堂は口を塞ぐ手を離す。
 自由になった両手で知代の尻を掴み、自分の腰に押し付けるように抱き寄せる。

「いやっ…! 何するんですか!?」

 知代は声を上げる。
 
「いいお尻してるね。とっても柔らかい」
「どこ触ってるんですか…!」
「いい揉み応えだよ」
「ちょっと…離して…っ!」

 新堂が顔を寄せてくる。
 反射的に顔を背けると、耳を舐められた。
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