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知代の性活
第5章 八月 初めて喉を通る感触
「いやっ! やめ…んっ!」

 抗議の声を上げかけると、再び唇が重ねられた。
 今度は口を開けていたため、舌が口内に入ってくるのを止められなかった。

「んぐ…っ!」

 ヤニ臭い舌に口内を掻き回され、吐き気が襲う。
 
 知代の舌を強く吸いながら、新堂の両手は知代の両手首を掴み頭の上の壁に押し付けた。

 やっと長いディープキスから解放された知代は、荒い息を繰り返している。
 
 両手を押さえられ、動きを封じられた知代の、オレンジのブラに包まれた小さな膨らみに、新堂は改めて目を送る。

 荒い息に小さな胸も上下している。
 全て脱がすより、じわじわと辱しめたほうが楽しめそうだ。
 
 自由な方の腕で知代の胸に触れる。
 ピクっと、知代が体を揺らす。

「やめて…触らないで…!」

 じたばたと抵抗するも、新堂の手の戒めから抜け出せない。
 背中には壁、腕は動かせない。
 体をくねらせて新堂の手から遠ざかろうとするも、ほとんど意味のない抵抗なのは、知代本人にも分かっている。
 それでも、ただ黙って触られているわけにはいかない。

 少なくとも、犯されて、また乱れてしまうのだけは嫌だった。

 ブラが少しだけずらされる。カップの上から乳首がはみ出した。
 新堂に触られて、少し大きくなっている。

 窮屈そうに、歪な形ではみ出した乳首を、新堂はニヤニヤと見つめた。
 
「綺麗な色だね」
「やめて下さい…見ないで、やめ、あっ!」

 知代が小さな悲鳴を漏らす。

 新堂が舌先でチロチロと乳首をくすぐってきた。

「んっ…やめ…ん…」

 舌が触れるか触れないか、その微妙な責めが知代を苛む。
 乳首を囲む乳輪ごと口に含まれた。
 その口内で新堂は舌を動かす。

 今度はギリギリのところで乳首に触れない、乳輪をなぞるような舌の動き。

「は、く…ん…っ…」

 知代の体は、そこよりも乳首を責められたほうが刺激が強いのを知っている。

 いつ、そこを責められるか。

 知代は体を硬くして備えるも、新堂の舌は一向にそこに触れない。

 その瞬間に快感に流されないようにと胸に神経を集中させる知代は、集中した分、結果的に新堂の舌の動きを十二分に味わうことになってしまった。
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