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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第3章 夏の夜
かき氷を食べながら、横に座る海斗の姿を盗み見る。
整った顔立ち、切れ長の目には強そうな意志が宿っていて、今日は黒縁眼鏡をしていない。
それはあたしがお願いしたから。
いつも海斗と出掛ける時、黒縁眼鏡を掛ける彼に今日だけは普段通りの海斗でいて欲しかった。
最初迷っていた海斗もあたしのお願いに折れてくれた。
そのせいか、人が近くにいる時はあまり話さないけど。
やっぱり他人に自分の素を見せるのは躊躇ってしまうみたい。
周りの人達は、眼鏡をしてない海斗を対して気にしてなさそう。
時々、”海斗さん眼鏡してないよ!!かっこいい~”って声が聞こえるくらい。
性格までもが豹変する事は、海斗があまり話さないから気付いてない。
ビールを飲む海斗の喉仏が震える。
それをじっと見ていると。
「莉愛菜、ビール飲みたいのか?」
「ううん。大丈夫。」
何かを勘違いした海斗が聞いてきたから首を振る。
すると腰に海斗の腕が回って引き寄せられた。
「んっ。…海斗?」
見上げると海斗が至近距離で見降ろしてる。