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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第3章 夏の夜
そっと合わさった唇が離れ目を開けると、妖艶に微笑む海斗の後ろには花火が。
海斗の姿とその花火が妖艶さを際立たせていて目が離せない。
「海斗。花火始まってるよ?」
「あぁ。見てる。」
海斗はそのままあたしから瞳を逸らさない。
きっと海斗はあたしの瞳に映る花火を見ているから。
あたしはただうっとりとその光景を見つめていた。
綺麗な花火に愛しい人。
この光景はきっと一生忘れる事の出来ないものだと思った。
ようやく海斗が離れて花火を見始めて、あたしは気恥ずかしくなってチラッと周りを伺ってみたけど、皆それぞれ自分達の世界に入っていて、あたし達の事なんて誰も見てなかった。
ちょっと安心。
大きな花火が上がると、見ている人たちの間から自然と歓声が上がる。
そんなのもなんだか楽しい。
あたしはずっと海斗の方に頭を乗せながら花火を見ていた。
すると、あたしの好きな桜色した花火が舞う。
「綺麗……。」
思わず漏れてしまった言葉に海斗が笑いながらあたしの頬にキスをした。