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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第3章 夏の夜
たくさんの綺麗な花火が夏の夜を彩った帰り道、あたしは来た時と同じように海斗と手を繋ぎ歩いた。
ギュッと握られ絡まる指。
あたしの歩く速さに合わせて歩いてくれる。
そんな小さな優しさがとても嬉しい。
「海斗?」
「ん?」
「今日はありがとう。忙しいのに時間作ってくれて。」
「莉愛菜の頼みはできるだけ聞いてやりたいからな。」
「疲れてるのに。」
「莉愛菜といれば癒される。」
「たくさん仕事頑張ってくれたんでしょ?」
「俺が莉愛菜との時間を作りたいからだ。」
最近海斗は、今まで以上に忙しい日々を送ってる。
そのサポートをするのがあたしと、秘書の寺井さんの役目。
寺井さんは主に仕事場での事。
あたしは家での事。
たまに寺井さんとサポート面の細かな事を話し合ったりするんだけど、海斗がとても忙しくて心配だと寺井さんが言ってた。
前に過労で倒れた事があるから、それが心配でスケジュールが詰まりすぎないように調整してるらしいけど、海斗自身がどんどん仕事をこなしていく。
できるならいいけれど、それで無理をさせてしまったら大変だと寺井さんは悩んでいた。