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莉愛菜と彼の主従関係~あなたのために~
第2章 莉愛菜と海斗
「寺井、余計な事を言うな。」
あたしを後部座席に押し込みながら、海斗が寺井さんに罰の悪そうな顔を向けた。
海斗はばらされて気まずいのかもしれないけど、あたしはとても嬉しかった。
だから、隣に乗り込んできた海斗の腕を掴んで肩に凭れる。
「どうした?莉愛菜。」
「ありがとう、海斗。」
不思議そうな顔をした海斗に言った。
あたしの為に、いつもありがとう。
「……。」
何でか反応が返ってこない海斗を見上げると、耳が真っ赤になったのが隠し切れていないまま窓の外を見ていた。
だからあたしはちいさく笑いを零した。
こんな海斗も可愛いと思う。
いつもは俺様なところもあるし、可愛いよりかっこいいが似合う人だけど、今みたいに意外と照れ屋さんな所とか、よくあたしにくっ付いてくる甘えたがりなとことか、海斗の全てが好きだと思う。
こんな素敵な人に好きになってもらえたあたしは本当に幸せ者だ。
海斗と想い合えてから1年と少し。
あたし達は、あの頃と変わらず過ごしている。