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キミといる場所
第3章 過去と現在(いま)
愛する人、愛する家族と暮らす場所。
幸せの象徴ともいえるマイホームだ。
わがままも無理難題もなんとかクリアして、
希望を叶えてあげたい気持ちはある。

でもそうやって他人の幸せのためにすり減る私に、幸せは来るのだろうか?

いろんなものをそぎ落とすように、
ただ仕事のことだけ考えて生きる道を選んだのは自分だ。
だけどそう成らざるを得なかった原因は、私の本意ではないことだ。


「ごめん…どうしてもキミを抱くことができない」

そう言って背を向けた笹倉の顔が浮かんできた。

「キミが傷ついて苦しんでいるのは痛いほどわかる。
…だけど、僕にはそれを受けとめる自信が、どうしても持てないんだ」

封印の解けた過去の記憶が、疲れた思考をどんどん侵食していく。

「終わりに…してくれないか」

最後の夜は笹倉の部屋だった。
惨めさの中つけた下着の手触り。
閉じたドアノブの冷たさ。
そして私を苦しめる元となったあの気持ちの悪い熱い感触まで甦ってきそうで、
私は頭を抱えて縮こまる。

25歳の夏、私は会社帰りの公園で、レイプされた。

引きずり倒され頬を張られ、
恐怖で声の出ない口の中に薄汚れたタオルを突っ込まれた。
抵抗しようと暴れた私に男はナイフを突き付け、「殺すぞ」と脅す。
乱暴に下着を剥ぎ取り、
太ももに熱く硬くなったモノを擦り付けたあと、
私を犯した。
恐怖と嫌悪と痛みとで、涙が止まらなかった。
コトが終わった男は私からタオルをはずし、無言で逃げた。
助けを呼ぶ力もなく、
私は明け方近くまで公園の茂みの横に転がっていた。
止まらぬ震えは怒りのせいだった。

泣き寝入りはしない、と被害届を出し犯人は捕まり、
初犯でないことで懲役刑となったことは私の望むものだったが、
それと引き換えに様々なものを無くしたのだ。





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