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キミといる場所
第3章 過去と現在(いま)
どのくらいそうしていたのだろうか。
寒さで我に帰った私がノロノロと顔をあげたとき、
事務所のドアがノックされた。

「…長谷川くん」

「こんばんは」

ギャルソン姿でコーヒーを持っている。

「さっき菜緒さんが事務所に入るのが見えて。
休みなのに頑張ってるなぁって…、コレ差し入れです」

ほかほかと湯気の上がるカップからは、甘く優しい香りがした。

「キャラメルラテ?」

長谷川くんはとびきりの優しい笑顔で

「なんだか疲れているように見えたから…」

私の顔を覗きこんだ。
ダメ、そーゆうの。
涙でそう。

泣くのを我慢したら、怒ったような顔になってしまった。

「あ、お仕事の邪魔してしまいましたね。では僕は…」

「ままま、待って!あの、ありがとう!」

私の早口に呆気にとられたような顔をした長谷川くんに向かって、
私はマシンガンのように言葉をぶつけた。

「いっ、今ねとっても疲れてて寒くて落ち込んでて、
この世にたった独りみたいな気分でいたのね。
だから長谷川くんが来てくれて嬉しかった!
孤独死しないですんだ!
全然邪魔なんかしてないからねっ!」

びっくり顔の長谷川くんは、
さっきよりももっと優しい顔になって

「今日はこんなお天気だからお客さんいなくて…
早めに閉めちゃう準備してたんです。」

cocoliはもう表の灯りを落としていた。

「良かったらメシ食いに行きませんか?」

「……行く」

「それじゃ、菜緒さんがそれ飲む間に着替えてきますから」

突然の展開に今度は私が呆気にとられ、
カップを持ったまましばし立ちすくんだ。
両手の平にラテの暖かさが染み込んでいった。
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