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キミといる場所
第3章 過去と現在(いま)
元気を出すには肉に限る!

長谷川くんの提案で、私たちは網を挟んで向かい合った。

「特上タン塩、お待たせしましたー」

おおー!

「タン塩、レモンかける派ですか?」

トングを手にした長谷川くんは、焼き担当になってくれるらしい。
シャツとニットの腕をまくりあげる。
細いのに筋肉は付いてる腕が、
大人の男性らしくてドキッとする。

「かける派!」

「一緒!」

熱々にレモンをたらしてお皿に取ってくれる。
うまー!

ハラミが来た。
焼き担当者は食べ頃をどんどん盛ってくれる。

「あつぅ、うまぁ」

「カルビ、いきますか?」

「いいね!」

「肉ってテンション上がりますね!」

さっきまでのジメジメした気持ちは、
網の上でじゅわじゅわと成仏したらしい。

「網の交換お願いしまーす」

心を読まれてるのか?
と思うタイミング。
さっきのラテといい、カンの鋭い人なのかな?

「長谷川くんはさ、どうしてカフェをやろうと思ったの?」

「あー…」

ビールをひと口のみ

「僕ね、トレーダーだったんですよ」

「トレーダーって、株とか売り買いする人?」

「うん、まぁそんな感じです」

友人に誘われて、大学時代にデイトレーダーとして為替の世界を知ったそうだ。
就活時代なんとなく受けてみた証券会社に採用となり、トレーディング部門に配属された。

「一応経済専攻でしたけど、まさか採用されるなんて思っていなくて」

ソツのない柔軟な接客や、私への心遣い…
自身では気付かない「先を見る目」を持った人なんだなぁ。

「なんか才能あったらしくて…」

成績は抜群だったそうだ。

「どうして辞めちゃったの?」

「怖くなっちゃったんですよねぇ」

実体の無いものに何億、何十億の金が動く世界。
それを操っているのが自分だということ。
24時間情報と数字を追う生活。

「のんびりしたくなっちゃって」

子供みたいに笑う長谷川くんが、
魑魅魍魎が跋扈する為替の世界で日々戦っていたなんて
想像がつかない。

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