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キミといる場所
第5章 秘密の番号
徹夜しそうな深夜、アドレス帳を開いてその番号を見つめたことがあった。

『長谷川春樹』

無機質なフォントで書かれた5つの文字は
私の心に優しい灯りを灯し、
静かに励ましてくれてるように見えた。

「お話ししたくなったらいつでも来てくださいね。
僕はここにいますから」

柔らかい口調の長谷川くんを見上げると、
目は笑っていなかった。

「お待たせいたしましたー」

絶妙なタイミングで貴子さんが私の前にプレートを置き

「お下げしまーす」

と言って、おかっぱさんの食器を下げていく。

「いただきまーす」

と私も元気よくリゾットにスプーンを入れると

「熱いから気を付けて」

長谷川くんがカラダごとこちらに向き直った。

3人の連係に気を削がれたのか、
おかっぱさんはしおしおと帰っていく。

貴子さんが私に小さく親指を立て
グッジョブ、菜緒ちゃん!
声を出さずに誉めてくれた。
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