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キミといる場所
第6章 神様!
それにしても私が大好きな映画が、
『cocoli』に関わっていたことがなんだか嬉しい。

魔女修行中の少女が、
思春期の微妙な揺れの中で出会いや挫折を経験し、
成長していく物語を、この街に来たばかりの私は繰り返し観ていた。

主人公が空を飛べなくなってしまうくだりは、
毎回涙が浮かんでしまう。

私はもうとっくにいい大人で、
この街に来た理由も人には話せないような後ろめたいものなのに、
主人公と自分を重ねて切なくなるのだ。

「魔女の宅急便ね、うちにあるんだよ。観る?」

「観ーるー!」

私が棚をごそごそしてる間に、
長谷川くんはビールを持ってソファーに移動した。

「菜緒さんチ、なんだか落ち着きますねぇ」

「そーお?」

他人の家造りには神経注いで暮らしているが、
自分の事となるとなんでもテキトーになってしまう。
とにかく掃除がしやすいシンプルな家具と、
機能性重視の家電がいくつか置いてあるだけの部屋だ。

「よし、セットオン!」

レコーダーにDVDをセットして、
長谷川くんの隣に座ろうか一瞬迷う。

量販店で購入したラブソファーに二人で座ると、
嫌でも密着してしまうから。

「はい、ビール」

自然に手渡されたので素直に隣に腰かけた。
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