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キミといる場所
第7章 変化の先に待つものは
花穂ちゃんが風邪から復活して、
事務所に元の賑やかさが戻った。

「38度の熱なんて、大人になって初めてですよぉ。
死ぬかと思いましたぁ」

でもお陰で少し痩せちゃいましたぁ♪
と喜んでいる…すっかり元気だな。

師走に入ったせいもあって、
私の多忙はピークに向かって加速している。
そのせいで長谷川くんとはあれから顔を合わせることが出来ないでいた。


掃除の完成度がイマイチだったのか…
はたまた神様のチカラ不足か…
膨らみきった妄想が敢えなく弾けた鍋の夜。
長谷川くんは眠り続けた。

カラダ中に伝わる暖かい体温に
名残を惜しみつつそっとソファーから離れ、
干したばかりの布団を背中にかけ、
鍋の後かたづけをし、
明日のプレゼンの資料を確認したあと
ヨガのポーズを2、3やってみてもまだ、
長谷川くんはスヤスヤと眠っていた。

飽きることなく寝顔を見ていた私も
いつしか眠ってしまい、
ハッと飛び起きた時にはもう彼の姿はなく…。
かけ直してくれたらしい布団がずり落ちていた。

リビングに残された置き手紙は
手帳に大切にしまわれ、
私のトーテムを回している。

『無理やり押しかけたのに寝てしまってすみません。
それから片付け、してもらっちゃってごめんなさい。
とても楽しい夜でした。
このお礼とお詫びは近日中に!
よく眠っていたので起こさずに帰ります。ハル』

几帳面に並んだひと文字ひと文字を何度も見つめた。
すっかりソラで言えるくらい。
覚えてしまった文面を時々取りだし、
密かにニヤニヤするたびに
トーテムは加速する。

『とても楽しい夜でした』

さて、出掛けるかー。

『このお礼とお詫びは近日中に!』

コートに袖を通す。

『ハル』

ハル…。
手帳をそっとバッグにしまい肩にかけた。

「菜緒さん、最近雰囲気かわりましたね」

花穂ちゃんの探るような目が光っている。
ぎゃー!
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