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キミといる場所
第7章 変化の先に待つものは
帰り道も渋滞に巻き込まれ、
ようやく帰社して駐車場に車を停めると、
ちょうど花穂ちゃんがcocoliから出てくるところだった。
片手にタンブラー、片手にマフィン。

あ、見つかっちゃった!
という表情が可愛い。

「だって、だぁれも帰ってこないんですものぉ」

なるほど事務所は空っぽで、
みんな忙しくなってきたんだな…と年の瀬を感じる。

花穂ちゃんはまたcocoli通いを復活させたらしい。

「お休みしてる間、考えてたんですけどぉ…」

自分はただの常連客のひとりなんだ…とわかったそうだ。

「だってね、私は長谷川さんの事たくさん知りたくて、いっつも質問ばかりしていて…
でも長谷川さんが私に聞いてくることはないんですよねぇ」

ふぅ…とためいきをつく顔が、いつもより大人っぽい。

「うっすらわかってはいたけど…誘っても断られちゃったけど…それでも顔が見たいなぁって」

「うん」

「だからまたランチしに行くことにしましたぁ」

ふわふわしているように見えるけど、
花穂ちゃんは花穂ちゃんなりに考えて、
落ち着きどころを探してるんだなぁ…。
ライバルだというのになんだか応援したくなってしまうのは、
この子のこういう素直さのせいだ。

『おしまい』というようにスカートの裾をパンパンッとはらって

「あ、そうだ!木戸建設の若社長が来ましたよぅ」

木戸建設は施工をお願いしてる業者だ。
丁寧な仕事で納期を遅らせることもなく、
キチンと教育されている職人さんはみんな
明るくて元気がいい。
なんの心配もなく任せておけるのが木戸建設だった。

先代が倒れ、二十代の若さで跡を次いだ木戸社長は私と同い年だった。
仕事の流れで時々みんなで飲みに行くこともある。

「これ、どこだかのお土産ですって」

朱色に白の桔梗がプリントされた包み。

「おー、信玄餅!」

「菜緒さんがお好きだと聞いたので…って言ってましたよぉ」

飲んだ席でそんな話をしたようなしないような…。

「わざわざそれだけ届けてくれたんですよぉ」

なんだか含みのある言い方だな。

「若社長、菜緒さんにゾッコンですね♪」

ゾッコンなんて昭和の言葉を花穂ちゃんが知ってるとは!
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